
トヨタ自動車のマークXが2016年11月22日にビッグマイナーチェンジを実施して同日発売された。
以前、以下のマークXのフルモデルチェンジに関する記事を掲載したが、今回のビッグマイナーチェンジを最後にマークXシリーズが終結する可能性も浮上してきた。
今回は、現行型マークXの最後のビッグマイナーチェンジに関する最新情報を記載する。
この記事に書かれていること一覧
<マークXのマイナーチェンジが2016年11月22日に実施へ>
マークXのモデルチェンジに関する情報は、これまで何度も話が出ては消え、現時点では2012年に実施されたビッグマイナーチェンジを最後に、大きな改良は行われていない。
これは、同じトヨタのセダンで車格が一つ下のプレミオ・アリオンに関しても同様の傾向が見られており、セダン不況の中、トヨタとしてもこれらの車種の方向性をどのようにしていくのかが難しい状態にあることが伺える。
そんな中、ようやく2016年11月22日に現行型で2度目となるマークXのマイナーチェンジが実施されることが決まった。
2015年に実施されたクラウンのビッグマイナーチェンジでは、90ヶ所以上にも及ぶスポット溶接の増し打ちによるボディー接合部の剛性強化や構造用接着剤の採用がされたが、マークXに関しては、主に衝突回避支援パッケージ「トヨタセーフティセンスP」搭載を目玉とした改良となる。
<マークXにトヨタセーフティセンスPを搭載>
トヨタセーフティセンスにはPとCの2タイプが存在するがマイナーチェンジで搭載されるのはトヨタセーフティセンスPの方となる。
トヨタは、2017年末までに日本、北米、欧州のほぼ全ての乗用車にトヨタセーフティセンスを搭載させると発表しており、今回のマークXのマイナーチェンジは主にこれに合わせる為に実施されると考えてもいいだろう。
ちなみに、トヨタセーフティセンスPといっても新型プリウスに搭載されているものと、クラウン・ランドクルーザーに搭載されているものでは微妙に性能が異なる。
それはレーダークルーズコントロールが全車速対応か制限ありかの違いだ。
クラウン・ランドクルーザーに搭載されているトヨタセーフティセンスPのレーダークルーズコントロールに関してはブレーキ制御ありという50km以上でしか作動しないものとなっている。
新型マークXに関しては、クラウンと同様のタイプが採用されることとなった。
<マイナーチェンジでグレードを整理 G'sモデルを廃止へ>
マークXは、マイナーチェンジによってグレードが整理されることとなる。
それは、プレミアムと350Sグレード、そしてG'sモデルが廃止されるということだ。
それに伴って3.5ℓグレードに関しては「350RDS」という1つのグレードに一本化され、このグレードは実質Gzの後継グレードとしてラインナップされる。
このRDSグレードは、「Rakish Dynamic Sports」の略称でありダイナミックなスポーツグレードとしてラインナップされ、2.5ℓモデルにも「250RDS」として設定されている。
<上が250RDS、下が350RDS>
このRDSグレードのサスペンションには、電子制御サスペンションが採用されており減衰力が自動調整されるようになっている。
また、このRDSグレードに加えて、「250S/250S Fourグレード」については、Bi-Beam LEDヘッドランプ&LEDクリアランスランプ/デイライトを組み合わせた角型6眼タイプとリアスポイラーが装備されている。
RDSグレード専用のインテリアカラーとして「ブラック×レッド」、「ブラック×ホワイト」が設定設定されており、アルカンターラのシート表皮やアクアウィッシュのインサイドドアグリップ表皮、緻密な加工で流れる光の波を表現したブロックデコのインテリアパネルを採用するなど、贅沢な大人のスポーティセダンが演出されている。
<350RDSのインテリア>
<250RDSのインテリア>
<各グレードと価格について>
・350RDS:3,850,200円
・250RDS:3,434,400円
・250S Four:3,452,760円
・250S:3,207,600円
・250G:2,656,800円
・250G Four:2,901,960円
・250G Four “Fパッケージ”:3,161,160円
・250G “Fパッケージ”:2,916,000円
<デザイン改良&その他改良について>
デザインに関しては、エクステリアを主に改良されることとなる。
賛否両論のあった現行型のフロントグリルのデザインは左右に低く広がったバンパー&ロアグリル等に変更され新たなデザインとなっている。
リアコンビランプに関しては、マイナーチェンジ前に発売されていたG'sモデルのようにクリアタイプのものに全車変更される。
今回のマイナーチェンジでボディカラーはに新色の「トゥルーブルーマイカメタリック」「プレシャスブラックパール」を含む全6色を設定。
<新色のトゥルーブルーマイカメタリック>
内装(インテリア)に関しては、素材やカラーなど、仕様の異なるインテリアデザインを採用し、ディンプル付本革巻き4本スポークステアリングホイールを採用した他、室内スイッチといった照明をクリアブルーへ統一して質感を向上するとともに、洗練されたイメージを演出している。
また、「流れる光の波」を表現したとされるブロックデコのインテリアパネルは、質感の高さをより感じさせられる。
その他、本体に90カ所もスポット打ちを増やしたり構造用接着剤を採用するなどボディ剛性強化が図られており、フロントとリアのサスペンションの熟成を図ったチューニングを施すといった足回りの改良が行われて、よりスポーティなセダンとして進化している。
また、洗車などによって付きやすい小さなすり傷を自己修復するクリア塗装の「セルフリストアリングコート」を全車に標準装備されることとなった。
<モデリスタの存在に注目>
マイナーチェンジと同時にトヨタモデリスタインターナショナルより、カスタマイズアイテムも用意されている。
フロントスポイラー、サイドスカート、リアスカートの3点をセットとした(単体でも発売している)モデリスタエアロキットやフロントグリルガーニッシュといったカスタマイズをすることで、よりアグレッシブなデザインへと変貌を遂げる。
<MODELLISTAエアロキット装着車>
この他にも、ミラーガーニッシュや前後のドアパネルに追加できるメッキ加飾の「スタイリッシュモール」、「LEDライセンスランプ」、モデリスタオリジナルデザインのアルミホイール&タイヤセット「WingDancer」シリーズといったものも用意されており、幅広いカスタマイズの設定が可能となっている。
<マークX マイナーチェンジで2.0ℓのダウンサイジングターボ搭載は見送り>
2016年夏までは、新型マークXのパワートレーンについては、V6 3.5ℓグレードの代わりに2.0ℓダウンサイジングターボのグレードが用意される可能性が取り沙汰されていた。
トヨタの2.0ℓダウンサイジングターボと言えば、レクサスIS200tやクラウンアスリートに搭載されている8AR-FTS型エンジンであるが、これがマークX用としてチューニングされると考えられていたのだ。
しかしながら、これは見送られることとなった。
今は車格が上がりクラウンクラスになってしまったものの、かつてのマークXのライバルであるスカイラインが、すでに2.0ℓのダウンサイジングターボエンジンを搭載しており、さらに次回のマイナーチェンジでは、3ℓのツインターボを搭載する予定であることから、マークXにターボモデルが設定されることで少しでもスカイラインに近づくと期待していただけに少し残念だ。
そこまでコストをかけられなかったのか、それともクラウンとの差別化が理由といった所だろうか。
ちなみに今回のマイナーチェンジがマークX史上で最後の大幅改良となり、2019年頃には次期モデルを投入せずに生産終了となる可能性が浮上している。
ただ、今回のマイナーチェンジ後の新型マークXの動向次第では、その流れが変わる可能性もあり、仮にマークXのブランドがなくなったとしても後継のアッパーミドルセダンが誕生する可能性は捨てきれない。
今回のマイナーチェンジがユーザーにどこまで受け入れられるのかに今後要注目だ。
マークXのマイナーチェンジに関するVoice
・ターボ採用してほしかったな
・G'sは一旦廃止なのか
・トヨタセーフティセンスPはプリウスと同じタイプなのかな
・次期モデルはいつ出るのかな
・現行型が中期型になるということか
・デザインはカッコよくなったと思う
<ネット上より>
今やティアナ、レガシィB4、アテンザといったライバル車の中でも一番日本の交通事情にあったサイズであり、唯一のFRであるマークX。
そんなマークXが今回を持って生産終了となってしまうことは、ファンにとっては何とか食い止めたい所。
今回のマイナーチェンジで再び勢いを盛り返し、次期モデルが投入されることを願うばかりである。