トヨタ自動車が販売する高級ミニバンのアルファードとヴェルファイア。
この2車種がマイナーチェンジを行い、2018年1月8日に新型モデルが発売された。
今回のマイナーチェンジでは、内装と外装の改良に加え、先進安全装備に次世代トヨタセーフティセンス(TSS)こと第2世代版トヨタセーフティセンスが新搭載されることとなった。
現行型初の大型改良となる今回のマイナーチェンジ。
そんな新型アルファードとヴェルファイアの内容で注目すべき最新情報をお届けする。
新型アルファード ヴェルファイアのマイナーチェンジ最新情報!
アルファードとヴェルファイアのマイナーチェンジの注目ポイントは、
- エクステリアとインテリアの変更
- 安全装備の充実化
- 搭載エンジン
となる。
では、詳しく見ていこう。
新型アルファード ヴェルファイア マイナーチェンジでデザインはどう変わる?
大型グリルを採用し、高級感をより演出した前期モデルの現行型アルファード、ヴェルファイアのデザイン。
マイナーチェンジ後には、その外観(エクステリア)デザインが一部改良される。
その改良部分としては、フロントグリルデザインの改良、ヘッドライト、フロント&リアのバンパー形状、バックドアガーニッシュ変更やリアテールランプのデザイン変更となる。
アルファードの外観に関しては、これまではどこかレクサスのスピンドルグリルのようなデザインだったが、今回の改良にて縦方向となるメッシュグリルのデザインが採用され、スタイリッシュなデザインへと変化した。
ヴォクシーに関しては、フォグランプ周りのデザインが大きく変更されており、よりワイルドな印象へと変化を遂げた。
また、17インチアルミホイールに関しても新しいデザインのものが採用されることになる。
より進化したクールでモダンなデザインへと進化する模様。
近年のトヨタ車のマイナーチェンジ後のデザイン変更として参考に挙げると、ハリアーのシーケンシャルターンランプ(流れるウインカー)が採用されているが、今回のマイナーチェンジでアルファードとヴェルファイアにもメーカーオプションとしてLEDシーケンシャルウインカーが搭載可能となる。
ボディカラーの変更について
ボディカラーは、「シルバーメタリック」、「グレーメタリック」、「グレイッシュブルーマイカメタリック」の3色が廃止となる。
その反面、「スティールブロンドメタリック」、「グラファイトメタリック」、「ダークレッドマイカメタリック(エアロ専用)」の3色が新たに新カラーとして加わる。
マイナーチェンジでインテリアはより質感向上へ
インテリア(内装)に関しては、マイナーチェンジ後には、より質感向上を目指して、インパネやシート素材の変更といった改良が行われ高級感が高められている。
具体的には、
- 木目調パネルのデザインを変更
- ファブリック+合成皮革からサイド材に採用されていた合成皮革を全面採用(V,ZA-G,Z-G,ZR)
- セミアニリン本革ではなくプレミアムナッパ本革を採用(ExecutiveLounge)
- ホワイトレザータイプをエアロボディにメーカーオプションとして新設定(ExecutiveLounge)
等というという内容。
アルファード ヴェルファイアのマイナーチェンジ後の安全パッケージ
アルファードとヴェルファイアには、これまで充実した安全装備が備わっている。
しかしながら、
ミリ波レーダー方式のプリクラッシュセーフティシステムは歩行者検知に対応していない
といった課題もあった。
<プリクラッシュセーフティシステムについて>
進路上の先行車や障害物などをミリ波レーダーで検出し、衝突する可能性が高いと判断した場合に警報やブレーキの制御により衝突回避を支援。
万が一、先行車と衝突する場面に遭遇した場合には、警報の後、ドライバーがブレーキを踏むと、プリクラッシュブレーキアシストがブレーキ力を強力にアシストし、たとえば先行車20km/h、自車80km/hの場合では最大60km/h程度減速する。
ただ、他には、全車速追従機能付きのレーダークルーズコントロールや、シースルービュー、インテリジェントパーキングアシスト2、電動パーキングブレーキといったトヨタ車としてかなり高度な安全装備が備わっている。
これが、マイナーチェンジ後は、大幅に性能・機能向上した安全快適装備となる次世代のトヨタセーフティセンスが搭載される。
第2世代版トヨタセーフティセンスをマイナーチェンジで新搭載!
マイナーチェンジ後のアルファードとヴェルファイアで大目玉とも言え、これまでの一部の安全機能にとって代わって採用されるのが、この第2世代トヨタセーフティセンス(Toyota Safety Sense )。
第2世代版トヨタセーフティセンスを採用することで、これまで弱点だった自動ブレーキが歩行者検知に対応していないという部分が改善されるだけでなく、自転車、夜間の歩行者も検知対応となる。
<第2世代トヨタセーフティセンスの機能について>
第2世代トヨタセーフティセンスの機能の内容については以下の通り。
- プリクラッシュセーフティシステム(PSC)
歩行者検知(昼、夜共に対応)と自転車運転者に対応した自動ブレーキシステム。
ミリ波レーダーと単眼カメラにて前に走る車や歩行者を認識し、衝突の危険性がある時に、ブザーやディスプレイ表示でドライバーに警報を出す。
さらに衝突の危険性が高い場合は、衝突回避支援のためにブレーキアシスト。
それでも衝突することが避けられないとシステムが判断した場合に、自動ブレーキが作動して衝突回避もしくは衝突被害の軽減が図られるようになっている。
・歩行者に対して
自動ブレーキは、約10~80km/hの速度域にて作動
・先行車両について
約10km/h以上の幅広い速度域にて自動ブレーキシステムが作動
- レーントレーシングアシスト[LTA]
レーントレーシングアシストのスイッチをONにすると、車線からはみ出しそうになった場合に警告をしてくれたり、車線から逸脱いないようにステアリング操作の支援が行われる機能。
さらに、全車速追従機能のレーダークルーズコントロールを作動することで、車線の中央を走るようにステアリング操作の一部を支援してくれる。
日産のプロパイロットやスバルのアイサイトツーリングアシストに近い機能と言える。
また、車両のふらつきを検知したときに、マルチインフォメーションディスプレイ表示で休憩を促す注意喚起を行う「ふらつき警報機能」も有り。
- オートマチックハイビーム(AHB)
車の周りの明るさや、前に走っている車のテールランプ、そして対抗車両のヘッドランプを単眼カメラが検知し、ハイビームとロービームを自動で切り替えてくれるシステムだ。
- ロードサインアシスト(RSA)
道路標識(前方にあるカメラにて認識)を、マルチインフォメーションディスプレイに表示するシステム
- レーダークルーズコントロール(全車速追従機能付)
前に走る先行車との車間距離等をミリ波レーダーと単眼カメラが認識し、運転手が設定した車速の範囲内にて、自動で一定の車間距離を保ちながら追従走行が可能となるシステム。
・先行車発進告知機能[TMN]
信号待ちをしている時や、渋滞で先行車に続いて停止しており、先行車が発進したことに気づかずにいる場合に、ブザーとマルチインフォメーションディスプレイ表示で知らせてくれる機能
ブラインドスポットモニターにて後方面の安全性能もUP
アルファードとヴェルファイアのマイナーチェンジでは、さらに後方の安全性を強化する“ブラインドスポットモニター(BSM)”も搭載可能となる。
ブラインドスポットモニターが搭載されると、隣車線を走る車両が検知され、車両が死角エリアに入ると、ドアミラーに搭載されたLEDインジケーターを点灯させドライバーに注意喚起してくれる。
踏み間違え防止のインテリジェントクリアランスソナー
アクセル・ブレーキペダル操作に関係なく、低速取り回し時における衝突回避、または衝突被害の軽減に寄与するシステムも搭載されている。
次世代トヨタセーフティセンス搭載でプロパイロット対抗に注目
先ほども少しお伝えしたが、次世代トヨタセーフティセンスは、全車速対応レーダークルーズコントロール+LTA機能備えることで同一車線自動運転技術として人気の日産「プロパイロットシステム」に似た機能を備えることとなる。
この機能は、【クラウンのフルモデルチェンジ情報】の記事でも記載したが、今後は、トヨタの高級モデルを皮切りに次世代TSSを搭載していくことになると考えられる。
また、【エルグランドのフルモデルチェンジ情報】の記事でもお話したように、日産はさらなる自動運転技術を次期エルグランドで搭載させる可能性があるため、アルファード・ヴェルファイアも今回のマイナーチェンジで出来る限り、先進技術で遅れをとらないようにするのは必然だろう。
その他 先進装備について
新型アルファード、ヴェルファイアには、「インテリジェントパーキングアシスト2に機能を追加」、「電子インナーミラー」、「リヤクロストラフィックアラート」、「ITS Connect」といった先進装備が新たに加わる。
ターボエンジンorダイナミックフォース採用ならず
近年のトヨタ車としてクラウン、ハリアーには、マイナーチェンジで8AR-FTS型の2.0リッター直4ターボエンジンが搭載されたことが話題となった。
<8AR-FTS型の2.0L直4ターボエンジンスペック>
- 最大出力 231PS
- 最大トルク 35.7kgm
- トランスミッション 6速AT
さらに、モデルチェンジした新型カムリハイブリッドには、次世代パワートレーンとして、世界トップレベルの出力と熱効率を高次元で両立させた直列4気筒2.5L直噴エンジンの「Dynamic Force Engine(ダイナミックフォースエンジン)」が採用されている。
次期アルファードとヴェルファイアには、このダイナミックフォースエンジン搭載はほぼ濃厚と言えますが、今回のマイナーチェンジで採用されると大きな注目ポイントとなります。
ステップワゴンのようにミニバンにダウンサイジングターボエンジンを搭載するケースも出てきていますが、現時点では、高級ミニバンのアルファード・ヴェルファイアに8AR-FTS型2.0L直4ターボエンジン搭載はされない模様。
燃費性能や動力性能アップのため、現行のV6 3.5リッターエンジンが改良されることとなる。
マイナーチェンジでGolden EyesとTYPE BLACKは販売を終了へ
2016年7月4日から発売開始されているアルファード・ヴェルファイアの特別仕様車「GOLDEN EYES(ゴールデンアイズ)」「TYPE BLACK(タイプブラック)」は、今回のマイナーチェンジで販売が終了される見通し。
時期を見て、今後「GOLDEN EYES2」「TYPE BLACK2」といった新たな特別仕様車が発売される可能性は十分考えられる。
新型アルファードとヴェルファイアのMC後の価格
新型アルファードとヴェルファイアのマイナーチェンジ後の価格は、
にて確認することが出来る。
新型アルファード ヴェルファイアのマイナーチェンジに関するまとめ
2018年1月8日にマイナーチェンジを行ったアルファードとヴェルファイア。
現在は、敵なしとも言える程、Lクラスの高級ミニバンとして絶大な人気を得ているが、安全装備を充実することで、その地位はしばらく安泰と言えるだろう。
【オデッセイのマイナーチェンジ情報】の記事でも記載したように、ライバルではオデッセイが2017年末に大幅改良を行った。
ここにライバルの日産次期エルグランドがどう対抗馬として登場するのかが見所だが、次期エルグランドの情報に関しては、こちらの【新型エルグランドのフルモデルチェンジ情報】の記事も合わせてお読みいただきたい。